異風者(いひゅもん) (ハルキ文庫)



異風者(いひゅもん) (ハルキ文庫)
異風者(いひゅもん) (ハルキ文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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身分差ってやつぁ…

佐伯氏では珍しい(?)単発ものです。主人公、数馬源二郎は肥後(現熊本)人吉の下士にして愛州陰流という(国許ではお家芸だが田舎剣法)の達人。剣の技だけでなんとか封建社会の中で浮上しようというところ。物語は藩中のもめ事に端を発し、江戸藩邸まで重役の護衛の旅をするのだが、いざ国に戻ってみると一家斬殺、そのまま仇討ちの旅に出る。幕末から明治までの話しだが、なぜ源次郎が捨て駒にされなければならなかったのか。そこには「所詮身分の低い者」という封建社会の暗い身分差が、何百年も人の心に横たわっているという事情があるからだ。実際、敵討ちなんて面倒臭い事の筆頭だろう。どんなに高潔な志を持っていたとしても、下郎と呼ばれ、人生を他人に掻き回される不条理。当時の雰囲気は伝わってくる。しかし佐伯氏の真骨頂はやっぱりシリーズ物にあると思うのだ。ここしばらく御無沙汰の「鎌倉河岸シリーズ」がめちゃくちゃ読みたい!



角川春樹事務所
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